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受け取ったインボイス、確認していますか?

受け取ったインボイス、確認していますか?

はじめに

 昨年の10月から始まったインボイス制度、準備や対応に追われて大変かと思います。日々経理の記帳業務を行っている私も目が回りそうです。

 さて、そんな記帳業務をしている私が気づいた、「ちょっと待って!対応している気になってない?」と思った受取インボイスについて見落としがちな点をまとめました。

☆注目1☆ 日付が抜けている

 そんな日付が抜けているなんてって思うかもしれませんが実はこれかなり多いです。

 例えば、定期購読している新聞代の月一回収が来て現金でお支払いされました。相手は既に印字済みの領収書を渡してくれます。ただ、回収初日に受け取れるとは限らないので日付は空けた状態で発行されています。それを渡す際に日付を追記しないままになっている、というような領収書があります。

 新聞以外にはごみの収集代や宅急便代などがよくあります。日付を書いてくれているかどうか必ず確認するようにして下さい。

☆注目2☆ 宛名を自分で加筆している

 インボイス制度では、適格請求書発行事業者が正しい請求書を発行しなければなりません。宛名一つでも受け取った側が書いてしまうと「加筆・修正」に該当してしまいます。たとえ名前だけでも相手側に必ず書いてもらうようにしましょう。

 また、インボイスには簡易インボイス(簡易適格請求書)というものがあります。以下に該当する事業者は簡易インボイスを発行できる事業者で、この場合は宛名がある必要がありません。

  • 小売業
  • 飲食店業
  • 写真業
  • 旅行業
  • タクシー業
  • 駐車場業(月極契約などではない不特定かつ多数のものに対するもの)

 以上に当てはまる事業者から受け取るインボイスには宛名が書かれている必要はありませんのでそれ以外の項目が満たされているかどうかを確認するようにして下さい。

☆注目3☆ 税率または税額の記載がない

 インボイスの事業者番号が書かれているので問題ないと思って受け取ってしまっている明細がよく見受けられます。せっかく事業者番号が書かれていても「税」に関する情報がなければ適格請求書にはなりません。「税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率」が絶対に必要です。8%ですよ、10%ですよ、もしくは税額がいくらですよ、必ず書いてもらってください。

〇わざわざ領収書を発行してもらっていませんか?〇

 コンビニ、スーパー、ドラッグストアなど自動的にもらえるレシートではなく「領収書発行してください」って言っていませんか?レシートには取引内容が全て記載されています。一方、領収書は合計額と但し書きのみになってしまいます。そのため、信頼性では領収書よりレシートの方が高いです。領収書ではなく、レシートをそのまま受け取ってください。

 最後に、受取インボイスに何が記載されていなければいけないのか、改めて確認して下さい。

国税庁