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経理のペーパレス化について~その3~

経理のペーパレス化について~その3~

さて前回、前々回でペーパレス化のメリットとデメリットをみていきました。では実際何をどのようにすればいいのか、分からないことが沢山あると思います。まずは全ての事業に共通して取り入れる事の出来るもの、そして弊社が経理代行アウトソーシング業務を行っていることから、経理業務でのペーパレス化の進め方などをお話していきます。

ペーパレス化の方法・システム-全事業共通-

FAXをペーパレス化

複合機のプリンターを使用されている場合、多くはそこにFAX機能がついているかと思います。PCやクラウド上の保管庫への転送機能などをシステム導入により付随する事も可能です。そういったシステムの導入によりFAX送信の際にプリントアウトの必要がなくなり、PC上でFAXの送信が完結します。 また、相手先からのFAXも紙での排出をなくしクラウド上やPCにデータ転送・保存する事が可能です。相手先がFAXを廃止できない場合やメールに移行できない場合などにはこの方法が有効です。弊社ではCanonのimageWAREを使用しています。

出退勤をクラウド化

従来の勤務管理では、タイムカードとそれを打刻するための機械が入口に設定されており、タイムカードを手作業で集計していました。それをクラウド化することでタイムカードの紙、そして打刻の機械が無くなります。

勤怠がデータで記録保管され、集計なども自動的に行われるようになり管理の手作業にかかる時間も無くなります。

有給や特別休暇の申請・承認・付与などの管理も可能で、そういった申請に係る書類も全てなくなりクラウドでフローを統一化することなども出来ます。


給与明細もデータで発行が可能です。社員情報をクラウドシステムで管理しますので登録された個々のメールアドレスに送信設定すれば、明細の印刷・封入作業がなくなり配布時間も短縮されます。

メールの送信はデータを添付しての送信ではなく、給与明細が発行されたことのお知らせを送信し、実際の明細は個々人が設定したIDとパスワードを入力しなければ見る事が出来ません。誤送信のリスクも避けられます。

これらについてセキュリティ管理などで入退出の記録をデータで取るものが無い場合は一から導入しなければなりませんが、社員証その他ICカードを利用して記録している場合、そのシステムを勤怠管理に使う事が出来る場合もあります。利用しているシステム会社に相談してみましょう。弊社では勤怠管理はジョブカンを使用しています。

経理業務におけるペーパレス化の方法

経理のクラウドソフトを導入

デスクトップ型の会計ソフトを利用しているところが多数だと思います。その会計ソフトがクラウド型も提供している場合がほとんどなのでまずは問い合わせてみて下さい。

紙の資料は全てスキャナで読み取ってデータ化、クラウドの保存庫で共有

弊社では顧客様からの郵送書類を減らすため、顧客先でのデータ保存をお願いしました。

仕入の請求書など顧客様の相手先がデータでの明細に対応している場合は全てそちらに切り替えてもらい、スキャナ取込作業すら少なくなるよう指導しています。領収書も全てデータ保存、ECサイトなどでの資材購入は領収書のプリントアウト不要。データをダウンロードしたものの保存をお願いしています。

これにより顧客先は会計書類を全てデータ保存しているため、紙原本を破棄する事が出来ます。クラウドの保存庫にアップロードされたデータを弊社が利用しているクラウド会計ソフトへ移行、仕訳登録時にデータを添付する事により個々のデータに名前を付けずとも日付・金額・購入先などの情報を入力する事で検索が可能になりました。 つまり、従来の仕訳登録作業で同時にデータの名前を付ける作業も出来ているような形を実現しています。

預金口座はクラウド会計システムと同期

顧客様には従来の紙の預金通帳からネットバンキングへの移行を進めてもらっています。それにより、クラウド会計システムと各銀行口座との連携が可能になり、紙の通帳をさらにコピーして郵送してもらうといった作業がなくなる事に成功しました。

顧客先のメリットはそれだけでなくネットバンキングにより振込作業にわざわざ銀行へ行かなくてもネットで完結する事ができ、また営業時間や時間外手数料を気にすることなく手の空いた時間にいつでも振込が出来るようになります。通帳記入をしに行く必要もありません。銀行へ行くのは何かの手続きや現金の入出金時のみで済むようになりました。


弊社でも郵送を待たずして同期されたデータをそのまま読み込むことにより入力作業が大幅に削減され双方に大きなメリットをもたらしています。 クラウドシステムとの同期が不安な顧客様に対しては、無理に同期を進めることはせず、ネットバンキングからcsvデータで通帳をダウンロードしてもらい、そのデータをもらうことによってデータのまま会計ソフトへ取り込み、同じように入力時間の短縮になっています。相手先の事情に合わせたデータの授受方法を選んでおります。

弊社ではこういった経理書類のペーパレス化にあたり、弥生クラウドやfreee会計、マネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを導入し利用しています。クラウド会計ソフトでは単に会計の入力作業だけでなく、請求書・納品書・領収書の発行、送信作業なども行う事が出来ます。

既にデスクトップ型の会計ソフトをご利用されている場合、そのソフト会社がペーパレスに対応したソフトを出していたり既存のソフトのままデータ読込機能などを使って記帳が可能になったりしています。経理書類をペーパレス化する事は自動取込や仕訳の自動化につながり、結果紙をなくす以上の効果をもたらす事が出来ます。

もし、自社でペーパレスを進めることに不安がある場合は弊社でそのお手伝いをすることも可能です。お気軽にお問い合わせください。